- MOS資格は役に立たないと聞くけど、なぜ?
- MOS資格を取得したいけど、役に立つのか不安
MOS資格には、「役に立たない」とか「恥ずかしい」など厳しい意見が見られます。スキルアップのためにMOS資格を取得しようと思ったのに「役に立たない」と言われると不安になりますよね。
実は、MOS資格には取得すべき人と不要な人がいます。取得すべき人には役に立ちますが、不要な人には人には役に立ちません。
この記事では、MOS資格が「役に立たない」と言われる理由、それでも取得すべき理由、MOS資格のメリットについて解説していきます。
読み終えていただければ、MOSの必要性が明確になり、迷わず資格取得を目指せるようになります。ぜひ、参考にしてください。
目次
MOS資格が「役に立たない」と言われる理由
MOS資格が「役に立たない」と言われる理由は以下のとおりです。
- 難易度が低く差別化につながらない
- 求人の資格条件となることが少ない
- 資格より実務経験の方が評価される
- 職種によってはスキルアップにならない
- 試験内容が簡単だと思われている
パソコンスキル向上にMOSは非常に有効な資格です。なぜ、MOSには「役に立たない」「恥ずかしい」など厳しい意見が多いのか。それぞれの理由を解説していきます。
理由①:難易度が低く差別化につながらない
MOS資格は難易度が低く「誰でも簡単に取得できる→差別化できない」という理由から、役に立たないと思われているようです。
宅建や簿記2級など難易度の高い資格を取得していれば、周囲と差をつけることができます。しかし、勉強すれば誰でも取得できるMOSでは、資格そのもので差別化は困難です。
理由②:求人の資格条件となることが少ない
MOS資格は求人の資格条件となることが少ないため、MOSにメリットを感じられず、役に立たないと思われているようです。
実際にリクナビNEXTで検索してみたところ、以下の結果になりました。
検索ワード | ヒット件数 |
簿記 | 2,274件 |
TOEIC | 2,927件 |
MOS資格 | 228件 |
MOS資格は簿記やTOEICのヒット件数の1/10しかありません。また、簿記やTOEICは必須要件となるケースが多いですが、MOSは優遇されるだけのケースがほとんどです。
MOS資格を取得しても、就職・転職で有利にならないと感じるのも無理はありません。
理由③:資格より実務経験の方が評価される
転職市場では、資格保有者より実務経験者の方が評価される傾向にあります。MOS資格も例外ではありません。そのため、MOS資格は役に立たないと思われているようです。
転職では、企業は即戦力となる人材を求めています。そのため、実務経験がある人は業務に対して理解が深く、研修を行わずに済み、教育期間が短縮されると捉えるのが一般的です。
資格がなければ就くことができない特定の職種を除いて、資格取得で選考が有利になることは、ほとんどないと言えます。
理由④:職種によってはスキルアップにならない
MOSは職種によってはスキルアップにつながりません。たとえば、営業職や販売職の人がMOSを取得しても、仕事で役に立つ場面は少ないでしょう。
また、企業によってはOfficeソフトではなく、GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントを使用しているところもあります。そのような企業では、MOSを取得していても活用できる場面はほとんどありません。
「スキルアップにつながらない→意味がない」と思われているようです。
理由⑤:試験内容が簡単だと思われている
MOSは難易度が低い試験です。そのため、「試験内容が簡単→勉強しなくても解ける→スキルアップにならない」ことから役に立たないと思われているようです。
実務でExcelやWordを使用している人であれば、MOSは勉強しなくてもある程度の問題に答えることはできるでしょう。実際、難解な問題は少なく、満点で合格した人も相当数おられます。
それでもMOS資格を取得すべき理由
ここまで、MOSが「役に立たない」と言われる理由について解説してきました。
就職・転職で有利にならない、スキルアップにつながらないと思われており、MOSに厳しい意見があるのも理解できます。しかし、MOSを取得すべき理由は多くあります。
「役に立たない理由」も裏を返せば、取得すべき理由になります。それでは、MOS資格を取得すべき理由をひとつずつ解説していきます。
理由①:難易度が低いから短期間で取得できる
MOS資格は難易度が低く誰でも取得できるため、差別化につなげることは困難です。しかし、難易度が低いため短期間で取得できるというメリットがあります。
簿記2級、宅建の勉強期間と比べてみます。
資格名 | 勉強期間 |
簿記2級 | 6ヶ月 |
宅建 | 6ヶ月 |
MOS資格 | 1ヶ月 |
簿記2級や宅建のような難関資格の場合、半年もかけて勉強するのは相当な覚悟が必要です。途中で挫折してしまっては、それまでの勉強に費やした時間が無駄になります。
その点、MOSは最短1ヶ月で合格を目指すことができます。短期間でスキルを身につけ、資格まで取得できるのは大きなメリットと言えます。
理由②:アピール次第で就職・転職で有利になる
就職・転職において、MOS資格そのもので優遇されることはほぼありません。しかし、アピール次第で評価につなげることは可能です。たとえば、パソコンスキルに課題を感じ、スキル向上のためMOS資格を取得したという前向きな姿勢をアピールできれば、評価につながります。
新卒採用の面接に同行した際、「入社後に即戦力として活躍するため、MOSを取得して最低限のパソコンスキルを身につけました」と回答していた学生さんがいました。前向きな姿勢に感銘したことを今でも覚えています。
彼のように、資格そのものをアピールするのではなく、目的をもって努力したことをアピールできると、面接官の心に響く回答ができます。
就職・転職の選考においては人柄が重視されます。選考でMOS資格を有利にできるかどうかはアピール次第です。
理由③:未経験転職なら資格でカバーするしかない
転職市場においては、資格より実務経験の方が評価されます。しかし、未経験職種への転職を目指すなら、資格を取得して経験をカバーするしかありません。
面接で「パソコンはどの程度使えますか?」と聞かれたとき、「本を読んで勉強しました」と回答するより、「MOS資格を取得しているため、基本的な操作は問題ありません」と回答する方が説得力がありますよね。
私の同僚にも未経験から事務職になった人が多数います。彼らに話を聞くと、面接でパソコンスキルについて問われたそうです。
未経験から事務職への転職を目指しているなら、パソコンスキルを何かしらアピールする必要があります。その点、MOSは短期間で取得できるため、未経験をカバーするのに最適な資格と言えるでしょう。
理由④:職種によっては即使えるスキルが身につく
営業職や販売職など、パソコンをほとんど使わない人がMOSを取得しても、スキルアップにつながりません。しかし、事務職などパソコンをメインに使用する職種の人は、MOS取得がスキルアップにつながります。
MOS試験は実際にパソコンを操作する実技形式にて行われるため、勉強する際には手を動かす必要があります。つまり、勉強すればするほど、現場で即使えるスキルが身につきます。
仕事でOfficeソフトを使う場面が多い方は、MOSを勉強すると仕事の質もスピードも確実に向上しますよ。
理由⑤:学びになる問題が多い
MOSは難易度が低いため、難解な問題はほとんどありません。しかし、MOSを勉強すると今まで使用したことがない便利な機能や最短で処理する方法を知ることができます。
私は実務経験10年ある状況でMOSを勉強しました。Excelは得意で自信はありましたが、いかに自己流で機能を操作してきたか、身に染みました。本来の正しい手順で操作することを学び直せる、良い機会だったと、今になって思えます。
実務経験が長い人でも、MOSを勉強すると必ず新たな発見があります。MOSは難易度が低いからと侮ってはいけません。Officeソフトを基礎から学び直して、仕事に活かすことも可能です。
結局、MOS資格は必要なのか?
ここまで、MOS資格が「役に立たない場面」もあれば、「役に立つ場面」もあることを解説してきました。しかし、「結局のところ、自分はMOSを取得すべきなの?」と悩んでおられる方も多いと思います。
そこで、「MOS資格を取得すべき人」と「MOS資格が不要な人」をまとめてみます。
それでは、「MOS資格を取得すべき人」「MOS資格が不要な人」をそれぞれ解説していきます。
MOS資格を取得すべき人
まずは、MOS資格を取得すべき人から解説していきます。
- 短期間でパソコンスキルを身につけたい人
- 未経験から事務職への転職を目指す人
短期間でパソコンスキルを身につけたい人
短期間でパソコンスキルを身につけたいと考えている方はMOS資格を取得すべきです。なぜなら、MOS資格には、①短期間で取得できる、②実践的なスキルが身につく、というメリットがあるからです。
パソコンスキルを身につけるために本を読んで学習する人もおられますが、本は読むだけで満足してしまうため、実践的なスキルは身につきません。その点、MOSは実際にパソコンを操作して与えられた課題に答える形式のため、しっかり勉強すれば、1ヶ月で基本的なパソコンスキルを身につけることができます。
短期間でパソコンを使えるようになりたいと考えている方にMOSの勉強は最適と言えます。
未経験から事務職への転職を目指す人
未経験から事務職への転職を目指す人はMOS資格を取得すべきです。なぜなら、MOSは基本的なパソコンスキルを証明するのに最適な資格だからです。
求人を見ると、多くの企業が事務職に「基本的なパソコン操作」を求めていることが分かります。未経験から事務職を目指す場合、パソコンスキルをうまくアピールする必要があります。
その点、MOSは基本的なパソコンスキルを証明するのに充分な資格です。未経験から事務職への転職を目指すなら、MOSが必ず役に立つでしょう。
MOS資格が不要な人
続いて、MOS資格が不要な人を解説していきます。
- パソコンを使わない仕事に就いている人
- IT系企業への就職・転職を目指している人
パソコンを使わない仕事に就いている人
そもそもパソコンを使わない仕事に就いているなら、MOS資格は不要です。たとえば、販売職でMOS資格を所有していても、社内での評価につなげることは難しいでしょう。
今の仕事で求められる資格を取得すべきであり、むやみにMOSを取得することはおすすめできません。
パソコン苦手を克服したい、事務職になりたいなどの目的をもって、MOS資格に挑戦することが大切です。
IT系企業への就職・転職を目指している人
IT系企業への就職・転職を目指している人には、MOS資格はおすすめできません。なぜなら、IT系企業は高度なパソコンスキルを求めているため、MOS資格を取得しても役に立たないからです。
MOSはパソコン初学者向けの資格です。そのため、高度なパソコンスキルを求められる企業への転職を目指すなら、他のスキルを磨く必要があります。
MOS資格は独学で取得できるメリットも
MOS資格は独学で取得できるというメリットもあります。難関資格の場合、高額なスクール代やテキスト代を払って勉強しないと取得が困難というケースも多いです。しかし、MOSはテキスト1冊あれば、充分に独学で取得できます。
それでは、独学でのおすすめの勉強方法、MOSの勉強時間を以下に解説します。
独学のおすすめ勉強方法
私が独学をおすすめする理由は以下の4点です。
独学の勉強方法としては、書籍、Udemyの2つの方法をおすすめしています。この2つの独学法とパソコン教室を比較すると、以下のように整理ができます。
勉強方法 | 費用 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
書籍 | 2,000円~3,000円 (テキスト代) |
・費用がかからない ・マイペースで勉強できる |
・パソコン初心者には理解が難しいこともある |
Udemy | 1,500円~2,000円 (講座購入代) |
・費用がかからない ・マイペースで勉強できる ・動画型で理解しやすい |
・模擬試験を受けられない |
(参考) パソコン教室 |
10万円以上 (スクール代) |
・講師から指導を受けられるので理解しやすい | ・費用がかかる ・自分のペースで勉強できない ・教室に通う必要がある |
書籍とUdemyも3,000円以下の費用で充分に試験対策ができます。また、好きなタイミングで勉強を開始できるメリットもあります。パソコン教室のように、スクールに通って時間を浪費することがありません。
独学の勉強方法のコツは以下の記事にまとめていますので、参考にしてください。
必要な勉強時間
独学でMOSの取得を目指す場合、勉強時間と勉強期間の目安は以下のとおりです。
PCレベル | 勉強時間 | 勉強期間(1日1時間) | 勉強期間(1日2時間) |
---|---|---|---|
パソコン初心者 | 80時間 | 2~3ヶ月 | 1~2ヶ月 |
実務経験者 | 40時間 | 1~2ヶ月 | 1~2ヶ月 |
1日の勉強時間によって、必要な勉強期間も異なります。1日に確保できる勉強時間は個人差があると思います。しかし、MOS資格は1ヶ月で合格を目指しましょう。パソコン初心者の方でも1日2時間の勉強時間を確保できれば、充分に1ヶ月で取得可能です。
平日は仕事で忙しい方は、休日に勉強時間を確保すれば問題ありません。平日は1時間しか勉強できないなら、休日に4時間は勉強時間を確保したいところです。
MOSを最短1ヶ月で取得するための戦略や学習スケジュールの立て方は以下の記事にまとめていますので、参考にしてください。
スキマ時間もフル活用しよう
MOS資格を1ヶ月で合格するためには、スキマ時間の活用も重要です。わずか5分でも、積み重なれば相当な時間になります。
スキマ時間の活用には、アプリ学習がおすすめです。スマホ1台で、いつでもどこでも10秒後には勉強を開始できます。
ただし、MOSは実技試験のため、あくまでパソコンに触れることが重要です。アプリはパソコン学習の補完として捉えておきましょう。
就職・転職でMOS資格を活かすために
MOS資格はアピール次第で就職・転職で有利になります。資格取得のプロセスに絡めて、成長への意欲、仕事への熱意、自己管理力をアピールすることがポイントです。
- 資格に挑戦しようと思ったきっかけ
- 勉強で大変だったことと乗り越えた方法
- 資格を取得して得られた成果
- 入社後にどう活かすか
この4点を言語化すると、就職・転職の場面でアピールすることができます。具体的にMOSをアピールするコツや回答の例文は以下の記事にまとめていますので、参考にしてください。
転職するなら準備も同時並行で行う
本気で転職を目指すなら、MOS資格の勉強だけで満足してはいけません。必ず転職準備も同時に進めましょう。せっかく条件の良い求人があっても、準備不足で応募できなければ、元も子もありません。
転職準備には、履歴書・職務経歴書の作成、求人のチェック、面接対策などがありますが、初めて転職する方が独力で行うのは困難と言わざるを得ません。ひとりで履歴書を作成すると、書類通過すら難しくなります。
そのため、転職活動を行うなら、必ず転職エージェントを頼りましょう。転職エージェントは、履歴書・職務経歴書の作成や面接対策に加えて、自分にマッチする求人の紹介、入社後のアフターフォローまで無料で行ってくれます。
転職エージェントは採用のプロです。プロの目線で書類のチェックや面接対策を受けると、合格率が大きく向上します。
特に、事務職は人気のため、競争が激化しています。未経験から事務職を目指すなら、未経験からの事務転職に強い転職サイトに登録をおすすめします。
1ヶ月の勉強で自信をつけよう
MOS資格を取得できると、自分に自信が持てるようになります。
- 自信を持って仕事に臨める
- 自信を持って就職・転職に臨める
- 自己管理力に自信が持てる
難易度が低い資格とはいえ、しっかり勉強して合格できれば、パソコンスキルに自信がもてるようになります。わずか1ヶ月の努力で、仕事の面でも、転職の面でも、変化を感じられるでしょう。
MOS資格を最初のステップに、次は高難度の資格に挑戦してみるのもありです。資格取得と達成感を感じられることは、貴重な経験となります。「役に立たない」と言われても不安に思わず、スキルアップにつながるなら、まず挑戦してみることをおすすめします。
まとめ
MOS資格が役に立たないと言われる理由、それでも取得すべき理由、MOS資格を取得すべき人と不要な人について解説しました。
・MOS資格の目的を明確にし、自分に本当に必要か検討することが大切
MOS資格は決して無駄ではありません。現場で即使えるパソコンスキルが身につきます。また、アピールの仕方しだいで転職で有利にもなります。
わずか1ヶ月で取得できるため、非常にタイパの良い資格とも言えます。パソコンが苦手でスキルアップを考えているなら、悩む前に勉強を開始してはいかがでしょうか。