電話対応が苦手な事務職はマニュアルに頼ろう!聞き取れないときも冷静に

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「電話がどうしても苦手で…」「怖くて電話に出られない…」という不安を抱えておられる方も多いと思います。

実は、電話対応は慣れで克服できます。

最初は誰でも電話が怖いものです。しかし、慣れてしまえば、電話対応はむしろ楽しくなります。

この記事では、電話対応のマニュアル対応フロー間違えやすい敬語を提示し、電話対応のポイントを解説していきます。

また、受話器を持つと手が震えていたほど電話が苦手だった私が「電話恐怖症」を克服した方法もセキララに書いていきます。

読み終えていただければ、電話の苦手意識がなくなり、自信をもって電話対応ができるようになりますよ。

実は事務職は電話対応が多い

電話対応する女性

事務職と言えば、カタカタとパソコンと向き合っているだけと思うかもしれません。しかし、事務職は電話対応が非常に多い仕事です。

まず、電話が掛かってきたとき、対応するのは基本的に事務職の仕事です。電話にすぐ出て、担当者に取り次ぐ。こんな対応を一日に何十回と繰り返します。

また、事務職は社内・社外を問わず密にコミュニケーションを取りながら事務処理を行うことが多いため、電話で話している時間も長い傾向にあります。

私も事務職として働いていますが、繁忙期にはひっきりなしに電話がかかってきます。電話対応しているうちに、気づいたら夕方…なんてことも日常茶飯事です。

事務職と電話は切っても切り離せない関係と言えます。

電話対応の苦手意識は「慣れ」で克服できる

電話対応への苦手意識を克服する一番の手段は「慣れ」です。

不慣れな環境で顔も知らない相手の電話に出るのは誰でも怖いものです。しかし、1週間も電話に出続ければ、よく掛かってくる相手、言葉遣い、電話の繋ぎ方などが分かってきて慣れます。

積極的に電話に出ていると、よく掛けてくる相手と顔馴染みになって、ちょっとした雑談ができたりもします。

怖いのは最初の1週間だけです。慣れてしまえば、電話に出るのがむしろ楽しくなりますよ。

電話対応が苦手な事務職はマニュアルで克服しよう!

電話とノート

どうしても電話対応が苦手な人は、電話対応のマニュアルを理解しておくと安心です。

何も知識がない状況からいきなり電話に出るのは不安ですが、マニュアルに目を通しておくと、不安の99%は解消されますよ。

電話対応のマニュアル

電話対応の基本マニュアルは以下のとおりです。

①電話が鳴ったら3コール以内に出る
電話は3コール以内に出るのがマナー。3コール以上かかった場合は「お待たせしました」の一言を添える。

②「もしもし」は使わない
「もしもし」は砕けた言い方で仕事の場面には不適切。シンプルに「はい」か丁寧に「お電話ありがとうございます」を使うこと。

③社名・所属・名前をハッキリと名乗る

電話に出たら自分の身分を名乗るのがマナー。「はい。〇〇株式会社の△△でございます」が基本。

④相手の社名・名前を正確に聞きとる
聞き取れなかったときは「恐れ入りますが、もう一度社名(又はお名前)をお伺いしてもよろしいですか」と聞き直して、正確に把握する。

⑤保留は30秒以内に
保留の時間が長すぎると相手をイライラさせる。30秒以上時間がかかりそうなら、「お調べするのに時間がかかりそうなので、いったん電話を切らせていただいて、折り返しお電話いたします」と伝える。

⑥伝言メモを残すときは必ず復唱する
「復唱いたします」と伝えて、相手の用件・名前・電話番号を繰り返して確認する。相手の時間を奪って申し訳ないと思う必要はない。むしろ、伝言を伝えているのに復唱されないと、相手は不安になる。

⑦静かに電話を切る
最後の最後に電話のガチャ切りは相手を不快にさせる。相手が電話を切ったことを確認してから静かに受話器を置く。

この7箇条をおさえておくと、電話のマナーはバッチリです。失礼のない電話対応を目指しましょう。

電話対応が苦手な事務職はフローも大切!

電話対応が苦手なら、電話対応のフローを理解しておくと安心です。

フローとしては、以下の3種類をおさえておけば問題ありません。

ケース①:担当者が在席中

はい。〇〇株式会社の鈴木でございます。

●●株式会社の佐藤と申します。

●●株式会社の佐藤さまですね。

いつもお世話になります。

高橋さんはおられますか。

高橋ですね。少々お待ちください。

〜取り次いで完了〜

ポイントは相手の社名・名前を正確に聞き取ることです。電話対応のほとんどはこの流れなので、慣れたらとても簡単ですよ。

ケース②:担当者が離席中

はい。〇〇株式会社△△でございます。

●●株式会社の佐藤と申します。

●●株式会社の佐藤さまですね。

いつもお世話になります。

高橋さんはおられますか。

申し訳ございません。

高橋はただいま外出しております。

それでは、折り返しお電話いただけますでしょうか。

承知しました。

お電話番号をお伺いできますか。

090-●●●●-▲▲▲▲です。

090-●●●●-▲▲▲▲ですね。

高橋に申し伝えておきます。

よろしくお願いします。

それでは、失礼いたします。

ポイントは担当者が不在であることを伝え、折り返し電話を求められたら相手の電話番号を正確に聞き取ることです。やや複雑になりましたが、これも慣れたら簡単に対応できます。

ケース③:伝言を受ける場面

はい。〇〇株式会社△△でございます。

●●株式会社の佐藤と申します。

●●株式会社の佐藤さまですね。

いつもお世話になります。

高橋さんはおられますか。

申し訳ございません。

高橋はただいま外出しております。

それでは、ご伝言をお願いできますか。

はい。ご用件をお伺いできますか。

新商品の見積書を12月1日までに

ご送付くださいとお伝えください。

復唱いたします。

「新商品の見積書を12月1日までに送付する」

という内容でお間違いございませんか。

はい。間違いありません。

念のため、お電話番号もお伺いできますか。

090-●●●●-▲▲▲▲です。

090-●●●●-▲▲▲▲ですね。

高橋に申し伝えておきます。

よろしくお願いします。

それでは、失礼いたします。

ポイントは伝言内容を復唱して正確に把握することです。また、電話番号も聞き取るようにしましょう。こちらもやや複雑ですが、慣れたら簡単です。

電話対応の9割は上記3種類のフローどおりに進みます。慣れてしまえば、まったく怖くないですよ。

電話メモを残すまで気を抜かない

固定電話

電話を切って安心してはいけません。正確な電話メモを残すまでが電話対応です。

電話メモには、

①電話のあった日時
②相手の名前
③相手の電話番号
④伝言がある場合はその内容
⑤折り返し電話が必要か否か
⑥自分の名前

を正確に書きましょう。

しっかりとした電話メモは信頼につながります。最後まで気を抜かないように注意しましょう。

電話対応しながら伝言メモを書きとるコツ

電話対応をしながら伝言メモを書きとるのは非常に難しいです。書くことに集中すると重要なことを聞き逃します。でも、メモを残しておかないと後で思い出せません。

電話しながらメモを残すコツは、ひらがなで書くことです。

相手の伝言を漢字で書こうとすると、漢字を思い出すのに時間がかかってしまいます。相手が話したことをそのままひらがなで殴り書きしましょう。「見積書」と書かず、「みつもりしょ」とメモを取り、あとで漢字に変換すれば問題ありません。

些細なことですが効果抜群です。私もこれで電話対応を乗り越えています。

電話対応の言葉遣いを身につける

電話対応は顔が見えないので、言葉遣いが非常に大切です。NGの言葉遣いとOKの言葉遣いをしっかり把握して使いこなしましょう。

NG OK
了解しました 承知しました
ちょっと前 先ほど
分かりません 分かりかねます
大丈夫でしょうか よろしいでしょうか
できません いたしかねます
なるほどですね おっしゃるとおりです
すいませんでした 申し訳ございませんでした
これ/あれ/それ こちら/あちら/そちら
この間は 先日は
わが社/貴社 弊社/御社
鈴木様でございますね 鈴木様でいらっしゃいますね
本日休みをいただいております 本日は休みをとっております
先ほども説明しましたが 分かりづらくて失礼しました
お名前を頂戴できますか お名前をお伺いしても よろしいですか
もしもし、聞こえますか お電話が遠いようですが、 聞こえますか
下の名前をお伺いできますか フルネームを お伺いできますか
電話を回します 電話をお繋ぎします
私の方で対応いたします 私が対応いたします
お伝えしておきます 申し伝えます

つい使ってしまうNGの言葉が多々あると思います。意識してOKの言葉を使うように心がけたいですね。

担当者が不在のときの言葉

「〇〇はただいま席を外しております」のように、担当者が不在のときの言葉にも多くの種類があります。

状況 取り次ぎ言葉
席にいない ただいま席を外しております
電話してる ただいま別の電話に 出ております
窓口対応中 ただいま来客中です
外勤している ただいま外出しております
出張している 本日は出張です
今日は休みだ 本日は休みを取っております
ランチに出ている ただいまお昼に出ております
会議に出ている ただいま会議中です
帰っちゃった 本日は失礼させていただきました

上記の言葉を覚えておくと、咄嗟の場面でも「なぜ不在なのか」正確に伝えることができます。

相手の名前が聞き取れないとき

相手が早口だったり、難しい社名・名前の場合、なかなか一回で聞き取るのは難しいものです。しかし、「よく聞き取れませんでした」と電話をつないでしまうと、社内から信頼を失いかねません。

相手の社名や名前が聞き取れなかった場合は、堂々と聞き直しましょう。「恐れ入りますが、もう一度社名(又はお名前)をお伺いできますか」と聞けば良いです。

2回目を聞き終えたら、復唱の意味で「〇〇株式会社の△△様ですね」と聞き返してみてください。間違えていたら、相手から訂正してくれます。

さすがに3回も聞き直すのは相手をイライラさせてしまうので避けてください。この場合、正直に「申し訳ございません。聞き直しましたが、うまく聞き取れませんでした」と言って担当者につなぎましょう。

電話が終わったのを見計らって、「今のお電話、なんという方ですか?」と素直に聞いてみてください。次回に活かそうという姿勢が逆に信頼につながります。

どうしても不安な方は、よく電話のある顧客リストをもらっておくのも一手です。リストを眺めておくと、電話があったときにふと思い出して落ち着いて対応できます。

私が電話恐怖症を乗り越えた方法

電話で話す女性

私は事務職として15年働いていますが、取引先に怒鳴られたトラウマで受話器をもつと手が震える「電話恐怖症」に陥った経験があります。

威圧的な話し方をされると手と足が震えてきて、しだいに声も震えて頭の中が真っ白になり、脂汗がとまらなくなる…電話が鳴るたびに心臓が止まりそうになりました。

そんな私でも、

・電話対応マニュアルを朝一に読む
・意識してゆっくり話す

以上を心掛けた結果、落ち着いて電話対応ができるようになりました。

電話対応マニュアルを毎朝読む

電話対応に限らず、不安を感じるのは知識不足によるところが大きいものです。そこで、毎朝一番にマニュアルを読んで、電話対応の流れやマナーを頭に叩き込むようにしました。

すると、電話対応の知識が身につくにつれて、自分に自信が持てるようになりました。

不安解消には、知識を身につけることも大切ですね。

意識してゆっくり話す

緊張していると、早口になってしまいがちです。早口になると、舌が回らず噛み噛みになってしまい、余計に焦ってしまいます。

そこで、電話に出る前にふーっと一息吐いて、意識してゆっくり話すように心がけると、自然と落ち着いて電話対応ができるようになりました。

電話が苦手な方は、意識してゆっくり話してみてください。単純なことですが、とても効果があります。

最後は慣れ

電話の苦手意識をなくすには、最後はやはり「慣れ」です。数をこなし、いろんなパターンを経験すると、自然と自信が身につくものです。

電話が怖いから出たくない…と避けていると、いつまでも苦手意識を克服できません。苦手だからこそ、積極的に数をこなすことが大切です。

最初ならミスも許されますし、先輩のサポートも受けられます。しかし、時間が経つにつれて対応のハードルも上がっていき、サポートも受けづらくなります。

とにかく最初が肝心です。失敗してもへこたれず、どんどん数をこなしましょう。

私の電話対応の失敗談

電話で話す女性

私も15年の実務経験の中で、本当にいろんな電話の失敗をしてきました。

以下に私がやらかした失敗経験をセキララに書いていきます。私の失敗からぜひ学んでみてください。

失礼な言葉遣いで激怒されたケース

40代のとても丁寧な女性から電話を受けたときのことです。担当が不在だったため、名前を聞き取ろうとしました。

自分「担当はただいま不在にしておりまして」
女性『あらそう』
自分「折り返しお電話いたしますので、お名前をお伺いできますか」
女性『鈴木と申します』
自分「下のお名前もお願いします」
女性『は?あなた私を下呼ばわりするの!?』

相手に対して「下の名前」は失礼にあたります。正しくは「フルネームをお伺いできますか」です。

最初は何を怒っているのか、まったく分かりませんでした。それほど、当たり前に使っていた言葉遣いです。

無意識な言葉でも、相手は不快に感じることがあるので、正しい言葉遣いを身につけることが大切ですね。

あいまいな言葉でトラブルになったケース

取引先に資材の発注を依頼したときのことです。あいまいな依頼で不信感を持たれてしまいました。

自分「資材を発注したいのですが」
相手『ありがとうございます。いくつ必要ですか?』
自分「えっと…いつもより多めにお願いします」
相手『それじゃ分からないよ』
自分「でも、そう指示を受けているので…」
相手『ちゃんと確認してから電話して!』

仕事の場面であいまいな言葉遣いはトラブルに発展します。締切、時間、発注の数、金額などはあいまいにせず、事前にしっかり確認して正確な数字を伝えるようにしましょう。

分からないときは、その場で答えることを避けて、時間をかけて回答することが大切です。

このケースでは、ハッキリ確認するよう怒っていただけてむしろ幸運でした。いつもより多めと依頼して、大量に納品されていたら…その方が大問題に発展していた可能性があります。

どうしても電話対応が苦手なら転職も視野に

マニュアルやフローをもってしても、どうしても電話対応が苦手という方は転職も視野に入れてみましょう。調べてみたところ、電話対応のない求人も多数ありました。

しかし、独力で転職活動を行うのはおすすめできません。ブラック企業に応募してしまうリスクもありますし、自己流の履歴書や面接対策では、なかなか内定をもらうことができません。

転職を目指すなら、必ず転職エージェントを頼りましょう。自分の希望とマッチする求人の紹介、履歴書の添削、面接対策、転職後のアフターフォローまで無料でサポートしてくれます。

求人の情報収集する意味でも、2~3個の転職サイトに登録してみてくださいね。

オススメの転職サイトは以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。

まとめ

それでは、この記事の大事なことをまとめていきます。

・電話対応の苦手意識は「慣れ」で克服できる
・電話対応が苦手でもマニュアルとフローがあれば安心
・正しい言葉遣いを身につける
・「電話恐怖症」も克服できる
・どうしても電話対応が苦手なら転職も視野に

ということで、電話対応は最初は誰でも怖いものですが、慣れてしまえば平気ということです。まずは、マニュアルフローをおさえましょう。そうすれば、安心して電話に出られます。

どうしても電話対応が苦手なら、転職して環境を変えることもありです。思いつめず、視野を広げてみてくださいね。

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